3分間ヴェーダーンタ

ヴェーダーンタは2つの言葉からなっています。


वेद veda + अन्त anta = वेदान्त vedānta

“ヴェーダ”の“最後の部分”“最終的な教え”という意味です。
“ウパニシャッド”とも呼ばれます。

では、ヴェーダってなあに?


インドに伝わる聖典で、伝統的にはこの世界の法則であるイーシュワラの言葉がリシと呼ばれる聖人たちを通して伝えられたとされています。

ヴェーダの聖典は人々が豊かさに満ちた人生を送るために、人生の目的を達成することができるようにと、遠い昔から私達を導びく役割を持っていました。

今も昔も変わらない私たちの考える豊かさ、生きていく目的は一体何でしょう?

サンスクリットではプルシャアルタ - पुरुषार्といい、大きく4つに分けることができます。

人々が求める4つのプルシャアルタ

  • アルタ  - अर्थ
  • カーマ  - काम
  • ダルマ  - धर्म
  • モクシャ  - मोक्ष

アルタとは、“安心”“安全”のために私達が必要とするものです。私達を精神的な痛みや肉体的な痛みから守ってくれるもの。起こりえる痛み、もう起きている痛みからの不安を和らげてくれるものです。お金、保険、家、子供など。

カーマとは、私たちの五感を喜ばせてくれるものです。私たち毎日を幸せにしてくれるもの。美味しい食事や、旅行。

アルタが自分の望まないものを“遠ざけたい”という思いからくるのに対し、カーマは、私を喜こばせてくれる何かを“手に入れたい”という人々の欲求です。

ここで言うダルマとは、善い行いによって得られる“徳”。ヴェーダの聖典で言われている善い行いとは、自分の利益を顧みない奉仕、人のために力を尽くす事。その行いによって積まれた“徳”はプンニャといい、プンニャは“アルタ”と“カーマ”を手に入れるための助けになるとされています。この人生のみならず生まれ変わってからの人生にも影響します。

カルマカーンダと呼ばれるヴェーダの聖典の前半の教えでは、主に4つのプルシャアルタのうち、“アルタ” “カーマ” “ダルマ” の3つを得たいという人びとのために、どのようにしたら得ることができるのかを述べています。

例えば、子供が欲しい人、健康を得たい人、天国に行きたい人、それぞれの願いに対してどういう儀式をしたらいいのか、“いつ” “どのように”行えばいいのかなどが具体的に述べられています。

ヴェーダの聖典の最初の部分が“アルタ” “カーマ” “ダルマ”を手に入れるための知識であることに間違いはありませんが、同じヴェーダの聖典で、それらを求めて得られるものの限界について言われています。

  • 私たちは常に幸せであることはできず、今ある痛み、起こりえる痛みから完全に自由になるのは不可能であるということ。
  • 欲しい物を片っ端から得たとしても完全な満足を得ることは不可能であるということ。
  • 幸せを得るために、人やお金など何か自分以外のものに頼らなくてはいけないということ。そしてその頼らなければいけない物事自体がそもそも変わりやすいものであるということ。

これらの限界について触れながら、そしてヴェーダの聖典は人びとの生きる目的を4つ目のプルシャアルタであるモクシャへと促していきます。つまり“アルタ” “カーマ” “ダルマ” を求めることでは本当の幸せを得ることはできないのです。

私達が本当に欲しい!最終ゴールであるモークシャとは?



モークシャはヴェーダの最終章であるヴェーダーンタの主題です。

モークシャとは“本当の私とは何か”を追求することでしか得られないものであり、“本当の私とは完全に自由な存在である”と知ること。

人びとが苦しみや悲しみがから逃れられず、いくら求めても完全に満たされることがないのは“自分自身”を間違って理解してしまっていることが原因です。

苦しみや迷いを取り除き、完全に満たされるためには“自分とは何か”を正しく理解することが唯一の解決方法であり、その「自分とは何か」を私達に教えてくれるのがヴェーダーンタの教えです。

ヴェーダーンタは独特の体系的な方法で“自分の本質は自由である”ということを明らかにしていきます。このヴェーダーンタの教えは先生を通して伝えられるべきであり、言い換えれば先生なしでは理解することはできない知識です。つまり、先生はヴェーダーンタの聖典と同じように神聖であるとされています。

このブログでは、伝統的な先生であるスワミ・ダヤーナンダ・サラスワティ師から直接教えていただいたヴェーダーンタの知識を伝えていきます。

詳しくは隣のページ、ヴェーダーンタ入門をご参照ください。
質問などありましたら右サイドバーのフォームから気軽にお問い合わせください。


aiko

No comments:

Post a Comment

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...